あなたはクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりするときに参照される信用情報は専門の機関が取り扱っていることをご存知でしょうか?
信用情報とは、個人がどのような金融機関を利用しているか、どれくらいの借金があるのかなどの情報を記録しています。国に認められたごく少数の専門機関が取り扱っています。
そしてその代表的なひとつが『株式会社日本信用情報機関(JICC)』です。他にも、
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
が、あります。この記事でフォーカスするJICCは、クレジット会社や消費者金融系が多く加入しているのが特徴です。
クレジットカードを作るためには審査をクリアする必要があります。この審査の過程で必ず行われるのが『信用情報の確認』です。クレジットカード会社は「クレジットカードを発行しても大丈夫な人物か否かを判断する」ために客観的な情報を参照しています。
目次
国内最大の信用情報機関!(株)日本信用情報機関(JICC)の役割とは?
この記事で解説するJICCはクレジット会社や消費者金融系が多く加入しているのが特徴です。
そもそもクレジットカードは、担保や保証人を必要とせず『与信』でお金を貸すサービスです。
つまり先に料金を支払い、翌月、翌々月に一括請求する仕組みなので、実質お金を貸しているのと変わりありません。
具体的には、信用情報にはクレジットやローンなどの信用取引に関する
- 契約内容
- 返済
- 支払状況
- 利用残高
などが記録されています。信用情報を見ることによって、客観的な審査を行うことができるようになります。
「期日までにちゃんと支払っているかどうか」「支払いの延滞があるかどうか」を客観的に審査するに、とても重要な判断材料を保管するのが大まかな役割です。
自己申告だけでは本当に信用に値する人物か否かを判断するのは難しいです。だからこそ客観的に理解するためにもJICCなど信用情報機関が必要不可欠となるのです。
無謀な貸し付けや借入を未然に防ぐ
これも役割の一つです。JICCは「審査に落とすために存在している」と言う人がいます。しかし、これは裏を返せば「無理な貸し付けや借入を未然に防ぐ」ために信用情報を集めているということになります。
そもそも自分の支払い能力を超えた借金をすると返済が追いつきません。足りない分は他のクレジット会社や消費者金融から借入して、さらに苦しい状況が広がっていきます。
さらに付け加えれば、総量規制という法律に貸す側が違反していないかを迅速に判断するためにもJICCは欠かせない存在です。
【総量規制】
貸金業法によれば年収の1/3までしか借入ができないと決められています。
つまり、このように信用情報をまとめる機関がなければ、消費者金融やクレジットカード会社はこの法律を厳守することは事実上不可能になってしまいます。少なくとも、この貸金業法の厳守のため、信用情報機関で年収に関する情報が保管されていなければ高額のローンは組むことができません。具体的には50万円までしかカードローンなどの審査は通過しないということになっています。
JICCが実際に取り扱う情報
JICCにはあなたの与信を知るための様々な情報が登録されています。
「本人を特定するための情報」として氏名や生年月日など、「契約や取引事実に関する情報」としてクレジットやローンの利用履歴などが登録されています。
内容 | 登録期間 | |
---|---|---|
本人特定のための情報 | 氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、勤務先、勤務先電話番号、運転免許証等の記号番号等 | 契約情報が登録されている間 |
契約内容に関する情報 | 登録会員名、契約の種類、契約日、貸付日、契約金額、貸付金額、保証額等 | 契約期間中、および完済日から5年以内 |
取引事実に関する情報 | 債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等 | 5年を超えない期間(債権譲渡に関する情報は1年を超えない期間) |
申込みに関する情報 | 本人を特定する情報(氏名、生年月日、電話番号及び運転免許証等の記号番号等)申込日及び申込商品種別等 | 申込日から6か月を超えない期間 |
電話帳に記載された情報 | 電話帳に記載された氏名、電話番号等の情報 | 電話帳に掲載されている期間 |
日本貸金業協会情報 | 日本貸金業協会に貸付自粛依頼を申入れたことを表す情報 | 登録日から5年を超えない期間 |
ここで少し話がずれますが、もしもクレジットカードやカードローンの審査に通らないときは信用情報が良くない状態(いわゆるブラック)になっている可能性があります。
消費者金融と株式会社日本信用情報機関(JICC)の関係性
国に認められた信用情報機関は3つあります。そしてそれぞれの主な会員は
- JICC:消費者金融
- CIC:クレジット会社
- KSC:銀行
となっています。消費者金融のほとんどはJICCに加盟しています。クレジット会社はCICに加盟してい、実はこの辺りはきっちりと住み分けのようなものができています。
もちろんJICCとCICの両方に加盟しているクレジット会社や消費者金融もあります。ただしKSCは銀行しか加入できません。
【消費者金融はJICCに加入している理由】
消費者金融は審査の際に信用情報を参照し、この信用情報はできるだけ信頼できるものでなければ審査に悪影響を与えます。
- 氏名や生年月日、住所などにウソはないか
- 他社借入件数や総借入額はどれくらいか
- どんな仕事に就いていて、どれくらいの年収があるのか
- 過去に金融事故(延滞、踏み倒し、債務整理など)を起こしていないか
などなど、これらをきっちりとチェックします。しかし、これらを申し込み情報だけでは正確な情報かどうかわかりませんし、審査しきれません。ウソの申し込みがあっても、自社にある情報だけでは正確に審査をするのに限界があります。
信用状のサービス提供適正化のためにJICCが利用されています。
信用情報はどのように利用をするのか?
何度かこの記事で紹介しているように、消費者金融は『与信』でカードを発行するか否かを決めます。しかし、カード会社、ローン会社各社だけの情報だけでは、申込者が本当に信用できる人物かを判断するのはとても難しいです。初めてクレジットカードを申し込んだり、ローンを組んだりする人にいきなり高額の限度額を与えたり、高額のローンを組んだりするのはリスクが大きすぎます。
さらに、実は多くのローンやクレジットカードの申し込みをしていて、もしかしてもしかすると他社で借金を踏み倒していたり、複数の消費者金融からお金を借りている多重債務の状態だったり…という可能性があっても自分たちの情報だけでは判断できません。
そこで各消費者金融がJICCに加入し、それぞれが持つ情報を共有し合うことによってより正確で信頼できる情報を手に入れられる、という仕組みです。
いかがだったでしょうか。
今回は株式会社日本信用情報機関(JICC)について紹介しました。主に消費者金融が加入しているのですが、クレジット会社も多いので注意が必要かもしれません。
JICCがあるからこそ適切なクレジット、カードローンが利用できるわけで、社会インフラのひとつとしてなくてはならない存在です。
「なかなか審査に通らない」という方は、自分がブラックリストになっていないかを確認してみるのも良いと思います。